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舞台【罠】を観てきた感想:ネタバレ注意

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2024年11月7日 ハレノワ劇場で「罠」という作品を観てきました!

『罠』読売新聞創刊150周年記念・よみうり大手町ホール開場10周年記念舞台

作:ロベール・トマ

 

 

 

 

あらすじ

フランスのシャモニーにある山荘での出来事です。新婚3か月のカップルがバカンスを過ごすために訪れていましたが、妻のエリザベートが失踪してしまいます。夫のダニエルは、カンタン警部に捜索を依頼しますが、妻はみつからず、憔悴の日々を過ごしていました。

そこへ、マクシマン神父に付き添われてエリザベートが戻ってきますが、ダニエルは「僕の妻じゃない」と言い出します。「彼女は全くの別人だ」と主張するダニエル「夫は神経の発作が起きた」と話し始めるエリザベート、2人の意見は全くかみ合わず、事態は複雑化していきます。

 

プログラムより引用

 

キャスト

  • カンタン警部:上川隆也
  • エリザベート:藤原紀香
  • ダニエル:渡辺大
  • マクシマン神父:財木琢磨
  • メルルーシュ:藤本隆宏
  • ベルトン:凰稀かなめ
  • 警官:赤名竜乃介

 

この作品、めちゃくちゃ良かったです。何も情報入れていかなくて大正解でした!

 

 

この作品は絶対情報入れずに観たい作品だと思いますので、ネタバレしないように書いていきたいのですが、プログラムに書かれていることや、登場人物について触れていきますのでご注意ください。

最後の最後に結末の感想も書いています。

 



 

 

以下直後の私の感想です

・ラストの盛り上がりが半端なくてテンション爆上がり

・誰が悪役なのか全然分からない

・ダニエルがずっとうるさい。2分も黙ってられないダニエル

・藤原紀香さん美しい

・神父さんイケメンだったけど全然双眼鏡で見てなくて後悔している

・自分で撃った後に「ほら、ダニエル」てピストル投げてよこすエリザベート最高

・追い詰められていくダニエルかわいそう

 

 

感想

 


新婚3ヶ月で喧嘩して出ていった妻が帰ってこないことに心配しているダニエル。

カンタン警部に捜査を依頼しているのに全く進展がないことにイライラしているようです。警部が帰ったあと、神父が訪ねてきて妻を保護していると事態は進展。無事に妻のエリザベートが帰ってきましたが、この人は妻ではありませんでした。

 

1番セリフ量多いダニエル

ダニエルが終始うるさい。イライラしたり、怒鳴ったり、あちこち舞台を動き回って落ち着きがないです。

カンタン警部に「落ち着いて」「黙っていて」と言われてもできません。

「あなたは2分も黙ってられないんですか」て言われてて笑っちゃいました。

妻が戻ってこない現状にパニック状態なんでしょうけど、早口で捲し立てるので観客も息が詰まる感じがしました。

いや、落ち着いて!て観客も思っちゃいますね。

プログラムの渡辺大さんが「劇中で早いラリーみたいな台詞の応酬が続く。ほんの少し言葉がずれたら、それまでに積み上げたパズルが崩れる怖さがある。演じていて心身ともに抉られます。」と書いてありました。

 

もう、まさにその通りの劇でした。
 

インターバルがほぼない状態で、数回の暗転で観客は息をつけますが、役者さんはめちゃくちゃ移動してるので大変だろうな。

暗転のたびに胸がドキドキして、どんな展開になっていくんだろう~~~!とめちゃくちゃ楽しかったです。


そして、ダニエルを取り巻く登場人物に「家族のような愛を感じる瞬間がある」と書かれていました。

確かに。孤独な孤児であるダニエルは1人で暴走してますけど、カンタン警部は味方というわけではないですが、中立の立場でダニエルに寄り添っています。エリザベートやマクシマン神父も敵対しているようでダニエルを放っておかない。

ダニエルが子供のように甘えて見える瞬間はあったな〜と思いました。

メルルーシュ役の藤本隆宏さんも社会的弱者であるダニエルに対して共感し、包み込んであげたいという気持ちがあったとプログラムに書いてありました。

ベルトンはダニエルと似たような人物でしたが、とても強かな女性でした。こうなってしまった違いは何なのでしょうか。

 

ダニエル目線で観てしまうので、ダニエルと一緒に希望の光に胸が高まったり、上手いこといかないとあーっと落胆したり。かなり気持ちが忙しい2時間でした。

 

 

 

カンタン警部は落ち着いた警部だけど、なんか胡散臭い

 

上川隆也さんかっこいい。

扉の開け方が面白い。あの扉重たいんだろうな。毎回両足しっかり開いて両手でふん!て開け閉めしてました。

 

淡々とした話し方で、感情がわかりません。

うるさいダニエルに対してもちゃんと接しています。基本中立。でもなんか胡散臭い。

なんでこんなにタイミング逃してるんだろうって観客側もモヤモヤしちゃいます。

 

上川隆也さん、セリフ量も多いんですけどめちゃくちゃ聞き取りやすかった印象です。

ただ裏の顔が見えた時がなんか怖かった。

 

 

エリザベートとマクシマン神父

エリザベートの藤原紀香さんが美しかった

スラっとした気品ある女性でした。

髪型も化粧も似合いすぎてた。


マクシマン神父も最初は優しそうな印象だったのに、所々で怪しい行動してました。

ダニエルの体の傷をなんで知っているんだ?!教え方も観客にしか見えない。怪しい!

ダニエルにしか見せない顔の2人を見るのも面白いです。

 

てかマクシマン神父役の人かっこいいな!!
 

 

台詞がない時の藤原紀香さんを双眼鏡で観てたのですが、演技凄かったですね…隙がない。裏と表の顔の切り替えがすごかったです。

 

 

メルルーシュ

ちょっと怪しい絵描きです。浮浪者みたいな格好をしています。

プログラムを読んでみると、この時代の芸術家の社会的地位は低かったみたいです。

陽気な立ち振る舞いから、過去は裕福な時代も経験している!と分析されてました。

確かにものすごく陽気で、美味しそうにお酒飲んでました。

ダニエルの絶対的味方になれる希望の光です。

ダニエルとエリザベートの結婚の証人になった人で、本物のエリザベートを知る人物です。

ピリッとした空気感の舞台なので、唯一気が緩むシーンだと思いました。

底抜けに明るいキャラで、観客も笑ってました。

なんでもかんでもペラペラ話してるので、帰ってきたエリザベートに余計なこと言わないかこちらがヒヤヒヤしてました。

 

ベルトン

 

看護師さんです。元宝塚の方みたいで美しかったです。

10日前に本物のエリザベートを看病した人です。

けっこう男前な強気な看護師さんな印象でした。

メルルーシュの次に来たダニエルにとって希望の光です。

ダニエル同様、弱い立場の人間ですが、必死に生きている強い女性でした。

この人が出てきてくれたおかげで解決する!とめっちゃ期待したんですけど、そう上手くはいかないのがすごいところ。

 

逆にどうして上手くいかないの?!てなります。

けっこう心をかき乱される場面でした。

 

 

登場人物これだけで、舞台が山荘の一部屋だけで演じられる2時間でした。

テーブルと、ソファと、階段と、扉と。

少ないセットしかないのに、めちゃくちゃ引き込まれてハラハラしました。

プログラムの中の稽古場座談会によると、この舞台装置にもそれぞれ意味があるみたいなんですが、勉強不足で読み解けられませんでした。

途中途中暗転もあり、その間だけはーーっとため息がつける感じでしたね。

次から次へとくる謎に頭が混乱します。それがめちゃくちゃ面白いんです。

 

タイトルが「罠」ですから、なにが罠なのか、誰が黒幕なのか、めちゃくちゃ疑って観てたんですが、まんまとやられました。
 

 

登場人物の裏と表の顔がすごい

登場人物それぞれ裏と表の顔がありましたが、演じ分けがすごかったです。

あれ、この人怪しい?て何度も思いました。

そして誰が黒幕なのか全員を疑っていきます。

表情だけでなく、仕草も良かったですね。

明らかに何かしてる!と気づくんですけど、それも演出家の罠にかかってるんですよね。

この舞台を観終わって、プログラムも読んだ後、時代背景も勉強した後にもう一度みなおしたい作品ですね。

ところどころヒントは隠されていたので、そのヒントももう一度確認したいです!

 


まとめ

今回の作品はネタバレはしちゃダメな気がして、どこまで書いていいのかわかりませんでした。

情報を何も入れず観に行きたい作品です。

インターバルほとんどなしで台詞が飛び交うので、観てるこっちも常に緊張感がありました。

役者さんたちの演技の凄さに圧倒されました。

最後の挨拶で渡辺大さんと藤原紀香さんヘトヘト状態だったので、相当心身すり減らしてる感じがしました。

上川隆也さんのおちゃめな話し方もさっきまでのカンタン警部と違って面白かったですね。

「無事、初日の幕が開き、そして無事に千秋楽を迎えられました」って言ってて会場が笑いに包まれてました。

さっきまであんな緊張感だったのにめちゃくちゃ和みました。

一丁締めで終われたのも一体感が出て良かったですね。

もう一度観たい作品がまた増えてしまいました。

お芝居って本当素敵ですね!!!

 

ここまで読んでいただきありがとうございます!以下結末について書いていますので特大ネタバレとなります!!!ご注意ください。

 

 

 



 

ラストの結末について(大ネタバレ注意です)

 

真犯人はなんとダニエルだったわけで、めちゃくちゃ驚きでした!

この結果が分かる直前のどんでん返しがすごすぎて、大混乱です。

エリザベートとマクシマン神父は敵だと思っていましたが、ん?なんだか警部も怪しいな?…え!!この3人が黒幕だったのーーーー!!!?

からの、ダニエルーーーー???!ダニエルが自分の妻を殺害していたようです。

エリザベートとマクシマン神父はカンタン警部の部下。つまり警官。メルルーシュとベルトンも協力者でした。つまり、ダニエルを自白させるためにみんなで「罠」をかけていたってことなんですね。

あの追い詰めるシーン上川さん怖すぎるし、照明も緑と赤色でなんか目がおかしくなりそうだし、もともと精神状態不安定のダニエルがもっと追い詰められていく感じにみててハラハラでした。極限に追い詰められてついに犯行の場所を教えてしまいます。

 

ここで疑問に思うのが、ダニエルは演じていたのか、思い込んでいたのか、どっちなんだろう。

 

今回見た感じだと思い込んでたのかな…?
 

最後おとなしく連れていかれていたから、思い込んでいたのかな。ここで警部に噛みついたりすれば演じてたと言い切れるんですけど。

妻の遺産目当てであそこまでできるのかと、全てがわかった後に最初から思い出してみると、ダニエル怖い。